下北半島のサル調査会

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 昨夜のミーティングでこの群れがU群ではなくてZ2群ではないか?と話題になりました。北大の鈴木さんの情報によると、Z2群には手や足が欠損している個体がいることやテレメーターを装着している個体がいるというのです。私たちが観察した範囲では、手や足が欠損している個体もテレメーターをつけている個体も確認しませんでした。それに2日目の今日、鈴木さんにもこの群れを観察してもらい、U群だろうということになりました。(その後の情報で、Z2群は8月11日には牛滝よりさらに北にいたことが分かりました)
 群れの移動方向は、牛滝入り口付近のニガキの枝や資材置き場の上で採食・休息と思いきや、11時を過ぎたころ再び海峡ラインを南へ渡りました。年をとったサルは真横に横断するのではなく、堂々と道路を斜めにゆったりと渡るなど、とんでもなく蛇行した移動でした。また、全ての個体が牛滝入り口を渡ったと思えば、姿は見せず声だけが聞こえることもあり、今日目撃できた個体は30頭ほどでした。
 その後、牛滝川沿いの砂利道を小堀さんと私が、海峡ライン沿いを鈴木さんと斎藤さんと、二手に分かれそれぞれが観察しました。U群は海峡ラインと牛滝川に挟まれた茂みを東へ移動、牛滝川沿いには消防車や建物がありその先は開けた砂利場となっていて、建物の屋根では4カップルほどがグルーミング・休息をしていました。誰に邪魔されることもなく、のほほんと休息していました。昨日とは打って変わっての晴天、炎天下私も昼食をとりながら消防車近くで観察していました。13時ごろにはサルたちはゆっくりと移動し、だんだん姿が見えなくなっていきましたが、鳴き声や枝の揺れで確認できました。しかし、15時にサルたちはウルシの林に突入し、追跡が不可能になり見失いました。トホホ。

 U群は、顔合わせをしたばかりなのに、ここで調査期間が終了するのは本当に悔しいです。2日連続しての偶然の出合い、ツキを使い果たしてしまったかもしれません。次回もまたU群に是非お目にかかりたいのですが・・・・。右頬に傷またはアザのある♀、実は私も調査期間中に右頬に傷を作っちゃたんですが、サルごととは思えないですね。(笑)

文章  佐野 寛子
写真  三戸 幸久


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