下北半島のサル調査会

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2002年度冬季調査報告Web版

A87群>
1224日(晴、積雪015cm)九艘泊川上流部左岸、新設道路沿いに広がる群れを発見(931)。新設道路沿い(ほとんどが工事現場)に約700m、九艘泊方向へ進んだ(1550)。途中、カウントを3回実施。それぞれ22頭、19頭、22頭。
1225日(雪のち晴、風が強い、積雪30cm)瀬野川上流右岸の小沢左岸で群れを発見(1136)。群れは北東方向へ約750m移動(1445)。途中、22頭をカウント。雪上に残った足跡から、昨日は尾根を挟んで瀬野川と九艘泊川の両側に分かれて泊まった様子。
1226日(雪、積雪30cm)村営スキー場がある沢(脇野沢川右岸、ニノワタリ沢の下流の沢)上流部にて群れを発見(1102)。群れはほとんど動かず、約50m北東へ移動した。樹上でカラスザンショウの実を中心に採食しているところでカウント16頭。
1227日(曇時々吹雪、積雪30cm)情報なし。翌日の調査で瀬野川において27日分の足跡を確認した。
1228日(雪のち曇、積雪30cm26日に群れがいたところ、村営スキー場のある沢上流部にて群れを発見(1510)。数十メートル西へ移動し、ヒバ林の中へ入った(1600)。確認個体は11頭。
1229日(雪時々曇、積雪あり)村営スキー場のある沢上流部にて群れを発見(940)。群れは西へ尾根を越え、瀬野川に入った(1500)。確認個体は18頭。
 図3: 調査期間中のA87群の遊動ルート
カウント結果(1228日、29日の両日に個体識別により頭数を確認)
合計23
A5頭、A3頭(クルミ、ワラビ、アケビ)、YA4頭(クルミン、コゴミ、コクワ、シドケ)、4歳♂1頭(クルミの子)、同♀2頭(チェリー、アケビの子)、3歳♂2頭(クルミの子、ワラビの子)、2歳♂2頭(サクラの子、ワラビの子)、同♀1頭(アケビの子)、1歳♂2頭(アケビの子、コゴミの子)、同♀1頭(コクワの子)、ベイビー1頭(クルミの子)
ただし、中山裕理氏が121116日にかけて2526頭確認している。

O群>
1224日(曇時々晴、時々雪、積雪1530cm)群れは発見できず。青石海岸で多数のサルが海草を採食しており、南へ向かったとの情報あり。また、青石の稜線上、鞍部の10m程南で北へ向かう足跡1頭分(2−3日前?)、同鞍部の20m程北で北へ向かう足跡、大小2頭分(2−3日前?)、面木稜線上、鞍部の30m程南から面木林道へかけて大小様々な多数の足跡(1日以内くらい)が東へ向かっており、牧場手前の伐開地の西で北へ向かっているのを確認。夕方、青石沢にクワがいることが電波の受信状況から推測された。
1225日(曇時々雪、積雪あり)青石沢左岸、青石林道車止め手前で稜線の方からの声を確認(927)。青石稜線東でサル4頭目視(934)。群れは青石沢右岸に渡ったのち、青石沢右岸斜面を下流方向へ移動したのち、折り返し、青石沢右岸尾根沿いに上流方向へ、中流部まで移動した(1640)。途中、青石林道近くのササ藪で部分カウント22頭(オトナメス9頭、ワカモノメス2頭、オトナオス3頭)。
1226日(雪、積雪あり)細間沢左岸、細間林道(青石沢出合と穴間沢出合の中間)沿いに広がる群れを発見(904)。群れは細間沢左岸を下流方向へ進み、青石沢出合付近まで移動したのち、細間沢右岸へ渡り、南へ進んだ(1620)。途中、青石沢左岸斜面を移動するところで部分カウント24頭、細間林道を渡るところでカウント41頭(足跡、大5頭分含む)。群れの発見時、既に細間沢右岸に渡っていた個体がいたことなどから数え落としの可能性がある。
1227日(雪、積雪あり)細間沢右岸、前日の最終確認地点にてオトナメス1頭目視(900)。群れは東へ尾根を越え、下細間沢左岸に入り、下細間沢左岸を南(上流方向)へ移動。さらに群れは下細間沢右岸に渡ったのち、南東へ、右岸斜面を登る。下細間沢右岸尾根、独立標高点216m付近を南東へ越え、ニノワタリ沢に入った(1600)。
1228日(雪、積雪あり)ニノワタリ沢左岸、独立標高点216mの北東側(昨日の最終確認地点付近)に広がる群れを発見(900)。群れはニノワタリ沢左岸の小尾根をゆっくり南へ越えた(1630)。一日の観察時間中、群れは昨日の最終確認地点付近に留まり、100m程しか移動しなかった。途中、部分カウント14頭。
1229日(雪、積雪あり)ニノワタリ沢最上流部(昨日の最終確認地点の南、約100m)にて群れを発見(900)。群れは観察終了(1535)まで停滞して採食していた。途中、部分カウント10頭のみ。
 図4: 調査期間中のO群の遊動ルート
カウント結果(1226日)
合計41頭+α(足跡5頭分含む)
A2頭、A11頭、同性不明2頭、YA2頭、同性不明8頭、56歳♂1頭、34歳♂1頭、同性不明2頭、23歳♂1頭、同性不明4頭、12歳♂1頭、ベイビー性不明1頭、足跡・大5頭分。
既に渡っていた個体や死角があったことから数え落としの可能性がある。また、風が強く、足跡が消えやすい状況であった。
備考
1224日に面木林道で見られた多個体の足跡については、今回の調査中、目撃したO群(ブナとクワを含む)と同一なのか、別なのか不明な点がある。ただ、1226日に41頭+αがカウントされたことから、可能性として考えられた、O群が分派行動しており、その分派行動している別のグループとは考え難い。

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