下北半島のサル調査会

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2002年度冬季調査報告Web版

 調査前半2日については降雪が時々見られたものの穏やかな天候が続いたが、後半4日は冬型の気圧配置が強まり、強い風が吹き、吹雪くことが多かった。気温もこの冬一番の冷え込みを記録し、積雪はあるものの足跡が残り難い状況のもとでの調査であった(末尾参照)。
調査の始めは少人数で始まり、終わりに従い、人が多くなり、調査地域も拡大していった。参加人数は総勢で27名となった。調査に限らず、生活面でも寒さのため、トイレが凍ったり、トイレの水があふれたり、船が欠航したりと苦労を伴った。

調査結果

A2-84群>
1224日(晴時々雪、積雪あり)瀬野川下流左岸尾根、中学校の北側にて群れを発見(830)。群れは中学校の北側を東へ移動したのち、南へ転進し、林道を横断し、瀬野にある大きな電気柵の畑内まで移動(1610)。途中、林道横断時にカウント71頭(もしくは80頭)+α。
1225日(曇時々晴、積雪あり)瀬野にある大きな電気柵の畑でサル6頭を発見(850)。続いて新井田集落西側で牛の首農村公園の方へ渡り始めた(907)。20頭が渡ったが、残りは県道山側斜面を西へ移動。渡った個体も県道を渡り返した。群れは寄浪の畑脇まで移動(1600)。
1226日(雪、積雪あり)寄浪の畑近くにて群れを発見(1000)。群れは寄浪の墓場、集落内を緩慢に東へ移動(1540)。
1227日(雪、積雪あり)寄浪の畑奥にて群れを発見(910)。群れは東へ移動。68頭が牛の首農村公園に入った。県道を渡らない個体を少なくとも10頭確認。合計78+α(1620)。
1228日(雪のち曇、積雪あり)午後、サブグルーピングしていることが確認された。
その1  牛の首岬のあずま屋近くにて群れを発見し追跡する(900)。一時、見失うが、少し離れたあずま屋北側の尾根から海岸にかけて広がる群れを再発見(1145)。群れは1日、ほぼ同じところで観察された(1610)。海岸から尾根上に広がるサルを部分カウント。27+αで、αは多いと思われた。
その2  瀬野神社前にて7頭を目視(1315)。続いて県道に面した崖の上を横断するところでアカンボウ5頭を含む17頭をカウント(1320)。先の7頭と17頭を合わせ24頭。牛の首岬周辺に広がるグループとは750m1000m離れている。新井田の県道上に牛の首岬の方から瀬野の方向へ向かう足跡を確認。その後、サルは北方向へ移動し、中学校西側でヤマグワの樹皮を食べているところでアカンボウ4頭を含む20+αをカウント。αはそれほど多くないと思われる。さらに北方向へ移動し、瀬野の大きな電気柵の畑北側まで移動(1530)。
1229日(雪、積雪あり)昨日に引き続き、サブグルーピングが確認された。
その1  昨日、群れがいた牛の首岬のあずま屋付近でサブグルーピングしたグループの1つを発見(904)。このグループは北東、新井田の方へ移動開始(1030頃)。ここでゴマを含む部分カウント26頭。新井田で県道を横断。県道を横断するところでカウント36頭(11051400)。
その2  昨日の最終確認地点、瀬野の大きな電気柵の畑北側にてサブグルーピングしたグループの1つを発見(855)。この時点で14頭を確認。サルはほとんど動かないが、こちらのグループもゆっくり北東へ、中学校野球場掲示板裏の松林まで移動。1025に比較的大きく移動した際に数のみ23頭カウント。その後、野球場裏の林内にいるサルをカウント22+α。αは12頭と思われる(1035)。ここまでの移動距離は250m弱であった(1126)。ここでグループその1のカウントのため、調査を終了。
 図1:調査期間中のA2−84群の遊動ルート

カウント結果(1227日)
合計78頭+α
A6頭(右足を跛行している個体、鼻ピアス)、A18頭、同性不明3頭、YA6頭、YA5頭、同性不明4頭、5歳性不明1頭、4歳性不明2頭、34歳性不明4頭、3歳性不明1頭、23歳性不明4頭、2歳性不明3頭、12歳性不明2頭、1歳性不明3頭、ベイビー6頭、県道を横断しなかった個体、年齢性不明10頭+α。
カウント中ではないが、シャチを確認している。また、1224日には71頭もしくは80頭+αをカウントしている。ただし、松岡史朗氏が12月に89頭をカウントしている。

A2-85群>
1224日(曇のち雪、積雪あり)脇野沢川左岸、源藤城北側の農道脇で群れを発見(844)。群れは源藤城の集落の周りを時計周りに移動。脇野沢川右岸の発見地点対岸まで達した(1600)。
1225日(曇時々雪、積雪あり)脇野沢川右岸、源藤城南側にて群れを発見(832)。群れは脇野沢川右岸を片貝まで南下したのち、国道を横断。その後、群れは脇野沢川両岸を滝山農村公園の東側まで移動(1600)。途中、国道横断時にカウント48頭。
1226日(雪、積雪あり)上滝山沢下流左岸からのサルの鳴き声を確認(915)、続いて群れを発見(925)。群れは南下し、下滝山沢右岸へ超えたのち、下滝山沢右岸、尾根近くを上流方向へ、林道横断地点の手前まで移動(1430)。途中、電気柵で囲まれた畑のすぐ北側の林道を横断するところでカウント46頭。
1227日(雪のち曇、積雪あり)下滝山沢中流右岸にて群れを発見(910)。群れは長時間を掛けて左岸へ移動(1340)。途中、林道を横断するところでカウント49頭。
1228日(雪のち曇、積雪あり)イノシシの館、東側の谷にて群れを発見(1130)。群れは脇野沢川左岸を南へ移動、七引橋南200mのスギ植林地に達した(1636)。
1229日(雪、積雪あり)田ノ頭沢下流右岸、国道近くにて群れを発見(840)。群れは一日動かなかった(1515)。
 図2 :調査期間中のA2−85群の遊動ルート 
カウント結果(1224日)
合計49
A2頭(ゴンズイ、カマス)、A14頭(ムギ、タチフジ、ハギ、ナス、シロザ、コナス、カズラ、アンズ、アカネ、ウルシ)、YA3頭(671頭、452頭)、YA4頭(ナツフジ、ヨモギ)、34歳♂1頭、同♀3頭、23歳♂2頭、同性不明3頭、12歳♂6頭、同♀2頭、同性不明5頭、ベイビー性不明4頭。
ベイビーについては、このカウント中ではないが、♂が4と確認されている。

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