そしてお腹がいっぱいになると、思い思いに昼寝をしたり毛づくろいをしたり、コドモたちは遊んだりして時間を過ごします。夕方近くになって、群れは海岸に下りていきました。やませ風が吹きつづけるこの時季、西向きの海岸斜面はこの群れにとって生活の中心となる地域です(このあたりではやませ風は東から吹きます)。この日群れが下りたのは、脇野沢村と佐井村の境にある
武士泊という海岸です。
この海岸だけでなく平舘海峡に面するこの付近の海岸は、多くの船が通るせいか海流の関係か、とてもゴミがたまりやすいようで、そこで採食するサルたちもまるでゴミ漁りをしているように見えます。実際は岩についた貝や海草、海岸の縁に生えたマメ科の葉などを食べているのですが、遠くから見ていると、ゴミの中から何かを拾って食べているように見えてはらはらします。しかしそんな私の気持ちとは裏腹に、群れは太陽が竜飛岬に落ちる直前まで海岸近くで陽を楽しみ、その後斜面を上がっていきました。