〜2004年12月24日―29日実施〜 文責 植月純也
調査直前に降り積もった雪により、足跡が残る状態となり、調査にはよい環境が整った。だが、毎日降り続く降雪により1日毎に足跡はかき消され、寒さと深い積雪により踏査を少し困難にした。
今回は述べ25名の調査員が参加し、調査員の活躍により、数々の結果を残すことができた。
まず、U群と、U群に隣接するZ2B群が同時に牛滝川流域にて確認されたことにより、この2つの群れが確実に存在することが確かめられた。ただし、Z2群は、Z2A群、Z2B群、Z2C群の3群に分裂されたと考えられている人がいる一方、Z2B群はZ2群由来ではなく、U群であり、今回見られたU群がB群であると考える調査員もいる。
次にO群である。夏の調査に引き続き、2群が確認され、それぞれ30頭強を数えた。ただ、残念なことに個体識別されている2頭が未確認に終わり、O1群、O2群の区別が付かなかった。また、O群の遊動域内、細間沢から面木沢に掛けて3日続けて、5、6頭分の足跡を確認した。サルに追いつくことが出来なかったため、構成、頭数は不明。
O群についてのみ、図示する。

また、A2-85群の東進。この調査として、最も東となる男川下流左岸を遊動した。A2-84群についても105頭を確認した。昨年の冬の調査に引き続き100頭台を維持していることがわかった。
さらに男川の群れの可能性のあるサル2頭を口広川最上流部にて確認した。
調査期間中、タイワンザルと思われる尾の長いサルの確認はなかった。
調査結果
調査期間中の主な天候
12月24日 晴時々雪
12月25日 晴時々雪
12月26日 晴のち雪
12月27日 曇時々雪
12月28日 雪時々曇
12月29日 曇一時雪
A2-84群
調査期間中、新井田から九艘泊にかけて遊動した。また、数日間、A87群がともに遊動している状況であった。12月25日に牛ノ首公園から道路を北へ横断するところで105頭をカウントした(8:24-11:12)。フルカウントか、それに近いと思われた。

※ヤングは、4、5才くらいで、ヤングアダルトは、6、7才くらいのサルとした。
A2-85群
調査期間中、小沢から男川左岸にかけて遊動した。12月24日に小沢と蛎崎の間の道を渡るところでカウント62頭+α(11:20-11:50)。構成は取れなかった。カウントにゴンズイ、カマス、新フルアダルトオス1頭、アンズとベイビー、ナス、ムギ、カズラ、ヤングアダルトオス1頭を含む。また、別の日にハギとアカネとベイビーも目撃された。
なお、松岡史朗氏が、10月25日にオトナオス2頭、オトナメス16頭、ベビーオス5頭、ベビーメス6頭、ベビー性別不明3頭を含む66頭+αをカウント(14:45−15:30)。
A87群
調査期間後半に調査を実施。芋田から九艘泊にかけて遊動した。A2-84群の近くにいたり、ともに遊動しているような状況が観察された。これまでのように、けんか等、避けあう様子は観察されなかった。12月27日の観察時間中に1頭ずつ確認する点呼方式により30頭いることが確かめられた。

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