『O群(クワを含むグループ)』
発信器装着個体のクワ、鼻に特徴のある老メスのブナ(当日の夜、写真で確認)、左鼻と上唇が黒く見える個体、A87群から移入してきたアダルトオス(通称M4君)、アカンボウ2頭を含む29頭+αのグループ。既に述べたが、分裂したのか、分派行動しているだけなのか不明。今後の調査結果に期待する。 海峡ラインM字カーブの北側から西へ移動し滝ノ沢に入ったのち南下、面木沢、青石沢、穴間沢源頭部を遊動した。足跡カウントで28頭。アカンボウと思われる足跡1頭分含む)、同日の目撃からアカンボウが2頭いることが確認されていることから1頭を加え、29頭+αとした。また、目撃での最大は、十数頭。
カウント結果・合計29頭+α(12月28日・足跡)
大16、中9、小2、極小(アカンボウと思われる)1。目撃したアカンボウが1頭抜けていると考えられ、これを加えると29頭。
『O群(25頭+αのグループ)』
12月24日に細間の下の牧場で発見され、12月25日に上の牧場を超え、面木沢に入ったところで見失う。12月26日に面木の牧場でどちらのグループか分からないグループが目撃された。その後、12月28日、29日と脇野沢川右岸尾根(滝ノ沢境界尾根)付近から海峡ラインM字カーブ周辺を遊動した。12月24日と12月29日に25頭+αが確認されており、目撃、追跡情報がつながることから同一のグループと思われた。クワを含むグループとは、12月26日に接近した可能性が高い。
カウント結果・合計25頭(12月24日)
オトナメス7頭、同オス3頭。サブアダルトオス1頭。4‐5才2頭、3‐4才2頭、
2‐3才1頭、2才1頭、1才1頭、アカンボウ3頭。年齢性不明4頭。
『U群』
調査期間中(12月24−29日)、12月28日に小荒川右岸尾根にてアダルト1頭を目撃、翌29日、目撃地点近くの林道上に新しいと思われる糞40個とシロツメクサの食痕を約100mに渡り確認。また、牛滝川左岸、三角点373.0mの北東にて前日もしくは数日前の糞(アダルトのものと思われる)1個を確認した。海峡ライン(野平−長右衛門林道起点間)、長右衛門林道、大荒川林道、川内ダム周辺、牛滝川(揚ノ沢、石山沢含む)、大利家戸川(野平の北から流れ、川内ダムに注ぐ川)を調査したが、群れの情報は得られなかった。ただ、牛滝川下流両岸(右岸中心)にてZ2B群25頭+αを目撃した(12月29日)。
男川の群れ』
男川の群れであるかどうか不明だが、足跡により7頭+αを確認。男川と口広川を分ける稜線上(348ピークと298ピークの中間地点付近)にて前日以前の足跡7頭分を確認(12月29日)。足跡は2m×15mの広さの雪上にあり、雨粒が当たり、ザラメ雪状になっており、不分明だった。大きさは全てほぼ一定で「中〜大」クラス。小さい足跡はなかった。足跡が稜線上を行ったり、来りしていることと、周囲に他に積雪のある場所がなかったため、全体の頭数は不明だが、7頭は確実だと思われた。
『口広の群れ』
仮に口広の群れとするが、男川の群れと同一なのか、オスグループなのか、独立した群れなのか不明。12月28日に口広川中流右岸にて足跡5頭分確認(大4、中1)。
『M2B群』
1999年の一斉調査の際、大畑川流域から川内川の湯ノ川温泉近くまで遊動域を伸ばしていることが確認された群れ。12月25日に大畑川上流、階子沢にて足跡1頭分確認。12月26日には昨日の確認地点の少し上流にて足跡1頭分確認。足跡は上流方向へ進む。その後、階子沢最上流部にて3頭目撃(ワカモノ2頭、オトナ1頭)。12月27日には昨日の目撃地点付近から階子沢右岸尾根を越え、大畑川支流、囲沢に入る足跡を確認。足跡カウントにより45‐46頭+αを確認。
『ハナレザル』
ハナレザルの目撃はなかったが、男川の荒川越沢(12月24日)、本流荒川越沢出合の下流(12月26日)、松山沢(12月28日)、滑川(12月28日)で各1頭分の足跡が確認された。
『タイワンザル』
タイワンザル等、尾の長いサルは目撃されなかった。ただ、3年前の目撃情報が1件得られた。場所は川内町長浜。
『A-1群』
52頭。
オトナメス9頭、同オス5頭、ワカモノメス2頭、同オス4頭、6才以上メス10頭。
5才2頭、4−5才3頭、3才2頭、2−3才1頭、2才1頭、1才1頭、アカンボウ5頭。
年齢性不明7頭。
2003年度冬季調査は京都大学霊長類研究所野外観察施設から調査費の一部を援助していただきました。
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