下北半島のサル調査会

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写真E 夏 六月下旬に釜臥山から、あのハート型の雪渓がすっかり消えてしまったとき、わたしは心の中で、「夏の到来」を意識します。ハート型の雪渓が消えた跡は、そこだけ緑の山の中で禿げたように薄茶色っぽく見えます。でも、その小さなスペースも、いつの間にか、周りの濃い緑に埋め尽くされ、八月には山全体がどこも夏の装いとなるのです(写真E)。そんななかでも、よく見れば、ポッチリと木全体が赤く染まったヒノキアスナロもあったりします。クマ剥ぎにあったのかもしれません。そして、釜臥山に雪が見えない期間が十一月上旬あたりまでのほぼ四ヶ月余り続くのです。

そして、秋へ

むつでは、八月の第一週の大湊ねぶた祭りが終わると、秋風が立つと言われます。確かに、涼しい風が吹いたりしますが、むしろ、九月にはいって山頂付近の山肌の色にはっきりと変化を感じたとき、ああ、やっぱり秋が来たのだと実感が湧くのです。

定点撮影に見る今年と去年の違い

季節の進行は、その年によって早かったり、遅かったりと差があると言われます。わたしの定点カメラに写ったデータでは、小松野川源頭部の雪渓が確認できなくなった日付を較べると、二〇〇四年は六月十九日であったのに対し、雪が多かったと言われる二〇〇五年は六月二九日と、ちょうど十日間の差がありました。釜臥山の中腹にあるシラネアオイ群落の開花(五月上旬)も去年と較べ、一週間から十日くらい遅かったようです。釜臥山は今日もその姿をわずかながら変えています。定点カメラによる撮影は一年の季節変化を語ってくれるばかりでなく、過去との違いも教えてくれます。そんなわけで、わたしの山の定点カメラによる撮影は今も続いております。

二〇〇五年七月一日  鈴木 邦彦


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