下北半島のサル調査会

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  2002年2月23日、24日の2日間、脇野沢村の里山で第6回自然観察会を実施しました。前回は、むつ市のポーイスカウトの小学生が対象でしたが、今回は北里大学の学生さんたちを対象にしました。参加者は7名、案内人が4名とマンツーマンに近い状況で、密度の濃い山歩きがねらいです。案内人は、鈴木邦彦氏・植月純也氏・小堀睦氏、そして松岡史朗といった「下北半島のサル調査会」の地元調査員の4名です。4パーティに分かれて、村内の東北自然遊歩道を踏査し、北限のサルやニホンカモシカ・猛禽類の観察に主眼をおいたもので、天気にも恵まれ、楽しい2日間を過ごすことができました。ただ、この自然観察会の計画の段階では、冬の積雪のある自然観察を予定していました。厳冬期の森に残されたフィールドサインについて、特に獣や鳥の足跡などを細かく観察し、野生動物の暮らしの一端を知り、酷寒の白い世界でもいのちが淡々と営まれていることを実感してもらいたかったのですが、北斜面や山深いところには積雪はあるものの、里山や海岸線の南斜面には全く積雪はなく、冬の観察会というよりも早春の森の様子を楽しむこととなりました。


 2月23日(土) 13:00 脇野沢村役場前に集合、4パーティに分かれて、自然観察会がスタートしました。2パーティは九艘泊地区の北海岬とその周辺でカモシカの観察をメインに活動しました。足場の悪い北海岬を踏査し、3頭のカモシカを観察できましたが、山の歩き方や地図の読み方などフィールドワークの基本も楽しみながら学びました。また、別の2パーティは芋田地区でサルの群れ、A2-84群約80頭を観察しました。主に民家周辺の休耕地に広がるサルの観察となりましたが、目の前数メートルの距離でじっくりとサルを見ることができました。観察終了後、脇野沢村保養センターでお湯につかり、一日の疲れをとり、宿となる鱈の里のバンガローで夕食、サルやカモシカ、自然の話にとどまらず、将来の夢なども話し込み、一日が終わりました。

 2月24日(日) 朝食をとり、サルを観察するグループとカモシカを観察するグループに分かれ、それぞれ芋田地区と九艘泊地区へ向かいました。サルは芋田地区の東側の斜面に広がっていました。やはり、民家周辺で観察するよりも森の中で凛と暮らすサルの方が素晴らしいことを再認識しました。カモシカのグループは、九艘泊の民家周辺を移動するオスのカモシカを1頭だけの観察になりましたが、強風であったものの好天の早春の森を歩くことができ、自然観察会の醍醐味を味わえたものと思います。午前中の予定を終了し、脇野沢村本村の食堂で昼食をとり、13:00ごろに解散しました。


 今後、冬期だけの観察会にとどまらず、機会があればいつでも、また、脇野沢村に限らずどこででも、自然観察会を実施していきたいと考えています

文章・写真 松岡史朗


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