下北半島のサル調査会

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ミヤコドリ (チドリ目ミヤコドリ科)

 2001年3月26日。サル調査に出掛け、海岸沿いに車を停めた。ふっと、赤いものが目に飛び込んできた。なんだ?と双眼鏡を覗くと、なんとミヤコドリだった。

 

 このミヤコドリ、嘴(くちばし)の先が黒く、羽が茶色身を帯びた黒色であることから若鳥だと思われました。この個体は数日間、津軽海峡に面した海岸に滞在し、磯や浜辺で採食を繰り返しているのが観察され、周りにはコクガンやオオセグロカモメも見られました。北へ帰る渡りの途中、立ち寄ったものと思われました。飛んだときには、ピピピピツとシギ類やチドリ類に近いような鳴き声を挙げていました。
 下北半島で野鳥の会がミヤコドリを確認したのは3例目ということで珍しいということでした。ただ、野鳥の会の方の聞き込みによりますと、地元の漁師の方は、何度か見ているということだそうです。また、全国的にみると、千葉県、神奈川県、福岡県などで毎年、群れが現われ、越冬しているところがある他、全国の海岸で稀な鳥として見られているようです。福岡県の和白干潟ではミヤコドリはシンボルとされ、ステッカーも作られています。

 ミヤコドリは、貝やカニ、ゴカイなどを食べ、英語ではオイスターキャッチャーと呼ばれているようです。外見的な特徴は、白と黒の羽毛を持ち、赤い嘴に赤い足とコントラストの強い鳥です。一度見たら、忘れないと思います。足の指は3本しかなく、走るのに都合がいいようです。足指の付け根に小さなミズカキがあり、よく泳いだりするそうですが、泳ぐ姿は見られませんでした。繁殖期は4-7月で、草が疎らに生えた露出地の地上に作ることが多いようです。日本付近の繁殖地は、カムチャツカ半島南部、中国北東部などです。

文章・写真   植月純也


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