下北半島のサル調査会

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Profile8 ワサビ

 A2-84群


  「ツツジ」亡き後、A2-84群の最高齢、30歳前後の雌ザル。身体も大きく、面長な顔立ち。高齢のためか、もう何年も出産していない。
  「ツツジ」の末期に「ワサビ」が寄り添っていた姿が印象的だった。脇野沢村寄浪地区近くのササが茂る海岸線の斜面で、A2-84群について行けず、一人ぼっちになっていた「ツツジ」。その傍らで、「ツツジ」の異変を感じ取ったのか、ササの脇芽を食べながら1mぐらいの距離で行動を共にした「ワサビ」。グルーミングなど身体に触れることはなかったものの、今まで一緒に生きてきた仲間の普通ではない状態に戸惑っていたのかも知れない。群れのほとんどが海岸線を西へ移動していたにもかかわらず、老雌2頭が過ごした1時間足らず、共に生きた30年が凝縮されたような時の流れだった。
  高齢になるにつれて、A2-84群の中心部よりも周辺部にいることが多く、移動の際も群れの後方からついていくことが多い。
  1963年から1980年ごろまで続いた餌付けを実体験として知っているサル。今となっては、人とサルとの餌を介してのただならぬ関係を体験したサルは数少なくなっている。

写真・文章  松岡 史朗


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