下北半島のサル調査会

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 A87群

 1985年当時5頭だったA87群、まだ87群という群れの名前もついていない時代から確認し観察が続いている19歳になるメスザル2001.10現在)です。
A87群には、サツキとサクラといった年長のメスザルがいたため、クルミはあまり目立ちませんでした。それに、サツキとサクラはお互いにグルーミングをする回数も多く親密な行動から親子関係が推測できましたが、クルミはこの2頭と接触することが少なく、独特の距離感を保っていました。
 A87群は個体数の少ない群れ2001年8月現在24頭)ですが、クルミは群れの周辺にいることが多かったのです。近年、サツキ(2000年3月中旬死亡)とサクラ(2001年春死亡)を相次いで失い、群れの年長者となったクルミの行動や他のサルたちの反応を興味深く観察しています。当然、年功序列でクルミが群れの中心的なメスになるだろうと思っていましたが、今のところ、その期待ははずれ、サクラの娘たち若者ザルに遠慮し(?)、相変わらず群れの周辺にいます。ただ、A87群を追跡する者にとっては、群れを見失った時、しばしば姿を見せてくれ、群れの再発見に導いてくれる有難いサルでもあります。
1987年に初産でオスのベビー(ソイ)を出産し、その後1989年にオス、1991年にオス、1993年にオス、1995年にメス(クルミン)、1997年にオス、1998年にオス、1999年にオスのベビーを出産しています。今までに8頭のベビーを出産し、7頭がオスというベビーの性に偏りが激しくクルミ一族が出来にくい結果となっています。

文章・写真:松岡史朗


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