下北半島のサル調査会

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 A2-85群


 初めてイトウと出会ったのは本の表紙を飾っている一枚の写真でした。
その時はイトウが下北半島に住んでいるサルで、まさか私と長いお付き合いをすることになるなんて夢にも思いませんでした。ただ格好良いサルだな〜としか思っていませんでした。
 イトウは1983年A2−84群のミョウガ(1997年11月没)の子として生れました。1歳の時から現在まで継続して観察が出来ているサルで年齢は18歳(2001年5月現在)です。1990年の秋にA2−84群からA2−85群にブリと一緒に移って以来A2−85群ひとすじです。
 私が脇野沢でイトウに初めて会ったのはイトウがA2−85群に移って1年目の冬です。イトウは当時8歳でまだまだ若い雄ザルで、格好は良かったけど、貫禄はまだありませんでした。
 彼は3歳のときに畑の網に足を絡ませ大怪我をし、右足の足首から先をなくしてしまいました。その身体的特徴のため遠くを歩いていてもすぐに見分けることができ、調査員たちは皆、真っ先に名前を覚えて帰ります。
 イトウは残念なことに子ザルの面倒見が悪く、じゃれつく子供を怒ったりします。
 でも、私にはとてもやさしい(と私が勝手に思っている)サルです。
 群れについて山を歩いていたら突然子ザルたち大勢に囲まれて威嚇されるし、大きいサルまで寄ってきて大変な騒ぎになってしまいました。さらにイトウが走ってきたので、私は恐怖に震えていました。
 絶対怒られる〜って、
でもイトウが怒ったのは私を一番威嚇していた6歳くらいの雄ザルでした。
 それ以来、私は群れの一員というか周辺にいるサルとでも思われている気がします。
 イトウが子ザルにもやさしくなってくれるのかな〜なんて期待を持ちつつ見守ったりしています。
 今年もイトウの元気な姿に会いたいな〜

文章  清水 桃子
写真  松岡 史朗


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