下北半島のサル調査会

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 A2-85群


私がハギに出会ったのは、初めて調査に参加した1992年の冬季調査の時でした。第一印象はオス並にでかい!! というのと、美しい顔をしていることでした。ハギは20年以上生きているおばあちゃんに近い年頃となってきましたが、今でもその印象は変わっていません。
 子育てを見てると女性らしいたくましさも感じます。普通ニホンザルは隔年出産なのですが、ハギはほぼ毎年出産しています。下北のような寒い土地で、なぜ出産できるのでしょう?私なりにハギを見ていて思ったのは、身体が大きいというのもあるでしょうが、子育ての仕方に答えの一つがあるように思います。
 ゴールデンウィーク中に何度か産まれて間もない赤ちゃんをつれたハギに会いました。ニホンザルの赤ちゃんは産まれてから暫くは母親から離れず、いつも胸か背中にしがみついています。でも、ハギの赤ちゃんは母親から数メートル離れたところで一人遊びしているのを見かけることが多いのです。ハギはそんな赤ちゃんを横目で見ながら、他のサル達と毛づくろいしあったり、新芽を美味しそうに食べたりしています。早いうちからお乳を拒むシーンを見たときはショックでしたが、ハギは本当に肝っ玉母さんというか放任主義ザルというか・・・・、だから子ザルが早く自立し、手間がかからないから毎年出産出来るのではないかと思います。
 私はそんなハギが大好きです。見ていて楽しいし、放任主義といってもやはり愛情を垣間見ることができる、そんな気がします。

文章:清水桃子    写真:松岡史朗


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