下北半島のサル調査会

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2006年 冬季ニホンザル調査結果 ダイジェスト
松 岡 史 朗

 
2006年冬季ニホンザル調査は、山深い奥山には積雪があったものの暖冬の影響なのか、
里には雪の全くない状況での調査となった。調査期間中の天候は、一日中豪雨の日もあっ
たものの穏やかな日の中での調査となった。

 調査期間は、2006年(平成18年)12月24日から29日までの6日間。37名の調査員が、
むつ市脇野沢地区全域とむつ市川内町男川流域とむつ市川内町湯の川地区を調査範囲とし、
サルの発見、カウントに努めた。


≪ 調査結果 ≫
 A2‐84群   5日間調査
   瀬野・蛸田・芋田・九艘泊地区と海岸線を西へ移動。

   97頭+α    12月25日 瀬野牧場でカウント

      6頭(A♀3、YA♂1、YA♀1、ベビー1) サブグループ


 A2‐85群   5日間調査
   源藤城・滝山・七引・サル山公苑周辺。

   
78頭(ベビー8) 12月23
              源藤城地区国道
338号を東から西へ横断時


 A87群   2日間調査
   九艘泊地区 自動車道路サル岩周辺

   34頭(ベビー3) 12月26日 自動車道路を横断時


 O群   6日間調査

  O群その1 細間牧場・青石・面木周辺

   26頭+α (鼻に特徴のある♂1頭を含む) 12月25
                       
 細間下牧場移動時

  O群
その2 蛎崎越・国道338号海峡ライン・脇野沢川源流部

   10頭+α 12月28日 国道338号横断時


 ◎B群・U群  3日間調査
   長右ヱ門林道北部で20個ほどのフン確認


 ◎
男川の群れ  4日間調査
   男川中流から上流部でフン、食痕の確認


 ◎湯ノ沢地区  3日間調査

   7頭+α (ただし、足跡で19頭+α) 30頭以上の感触 
                      12月29日 新助川林道

   佐井‐湯の川線県道ゲート南で複数の足跡確認 12月28


 ◎ハナレザル

   サル山公苑周辺で3頭を確認 (A♂1頭、YA♂2頭)


 ◎タイワンザル

   調査期間中、調査範囲内でのタイワンザルの発見はなかった。


【 まとめ 】

 ・民家周辺の2群(A2‐84群・A2‐85群)は、積雪がなかったことも
  あり畑・民家周辺での行動が多く、冬に備えてネットを上げた畑に入
  り、取り残しの農作物に執着していた。

 ・A2‐85群は構成での確認から、夏以降若い♂ザルが群れから離れて
  いることが判った。サル山公苑周辺のハナレザル3頭がそのサルかど
  うかは断定できないが、可能性が高い。


 ・A2‐84群は、今回もサブグルーピングしていることが確認された。
  近年、サブグルーピングする頻度が高くなっているものの、分裂まで
  は至っていない。

 ・今回の調査では東へ進出していることは確認できなかったが、周年を
  通しての観察では、川内町の蛎崎地区に出没する機会が増えている。

 ・O群については、二つに分裂していることは確認できたが、三つとい
  うことも考えられ、今後の課題となった。

 ・積雪がないこともあり、サルの食べ物の巾が広く、サルにとっては今
  のところ過ごし易い冬となっている。また、調査期間中、山での観察
  が少なく、自然のものを食べる報告が少なかった。


『今後の課題と予定』

  来年の冬季調査は、下北全域の一斉調査を予定している。今回同時期に
 実施した佐井地区・大間地区の協力を強化し
、また、下北半島のサルに関
 わる方々にも協力を仰ぎ“下北の今”を探究していく予定です。


 ・2007年夏季調査  2007年8月6日(月)〜11日(土)


 ・補足調査   2007年3月中の土、日


 ・ゴールデンウィークの観察会  例年どおり実施(小林綾さん)


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