福島県磐梯吾妻スカイラインのオオシラビソ、サルかじり事件?
 現地を見てきました。                 2006年5月6日  三戸幸久


 私は異界奇譚2で、オオシラビソ100数十本をニホンザルがかじり、枯らしているという読売新聞社福島版の2004年6月6日付記事を紹介しました。
 この記事には、林野庁福島森林管理所、環境省、福島県が現地調査をして「歯形などからニホンザルの食害と断定」ということが書かれています。
 このとき私は読売新聞の記者から電話でコメントを求められ、「サルが木の皮を食べることは珍しくないが、立ち枯れさせるほどの食害は全国的にも例がない。」と答えています。
 ずーと気になっていて、やっと2年後の今年、現地を訪れることができました。
 直感ですが「これはサルではないな」と思いました。
 さて皆さんはどのように見られるでしょうか。詳しくは植物専門家の意見も紹介しながら、NPO法人ニホンザル・フィールドステーション、ニュースレターで紹介する予定です。

 
当日4月26日 現地磐梯吾妻スカイラインを磐梯山側から入りました。北西の風は冷たくまだ残雪が厚く積もっていました。
左写真の右側奥、山肌が黒く見える部分がオオシラビソの群落です。

 
右写真は凍裂と思われます。いくつかの木に見られました。

 
下部の樹皮がはがれかけた部分をパカッとはいでみますと中に昆虫がいました。

 
主柱部のみの皮がはがれ、枝の皮や葉は残って枯れているものもありました。
中には、樹皮がはがれていなくても木全体が枯れたものがありました。


 北西の稜線を見るとオオシラビソの木の先端が点々と枯れているのが観察されました。
 この現象は鳥子峠を越えて東側斜面・福島市側ではほとんど見られなくなりました。
 


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