猿害  2006年7月15日  東京トリプルH三太

 サルによる農作物への食害防止対策については、農地を電気柵で囲う、それができない場所は 追い払いで対処する。これをしっかりやれば、ゼロは無理だが被害は確実に軽減される。
 農業県 の有無は問うにおよばず、お役人には会計検査院をちょろまかすくらいの気構えで、その事業化 をお願いしたいところだ。ただしこれは、サルを農地に居着かせた経済活動の変化を無視した、 農作物を守るという意味での対処的な対策だ。

  「余は生まれながらの農地ザルである」。
 三代将軍家光ではないが、単層林の山中にくらべ、 四季を通して食物があるコンビニ的生活になじんだ群れは、山には容易に戻らない。
   さればでござる。10年、30年を見据えた長期の対策と言うことに相成り、これはすでに共 通の認識となっており申す。

 しかしその中身は、統制のない、または一貫性に欠ける対策になっている。行政・学識経験者 ・最前線が会議室で保護管理を合意したとしても、そこから一歩外に出ると、それぞれの顔の向 きは異なる。
 電柵の整備実績やガスの抜き具合なら示せるが、年度末の会議室で「効果測定は?」 と質問したところで、きちんとした答えは期待できない。質問者は気楽なものである。対策事業の システムがおかしいのではないか、相手は野生動物なのだ。

 そんなわけで、現場で群れの観察をし て、ダイコンをかじるに至った経過も理解している遠山左衛門尉景元の登場を待っている。


お茶でもどうぞ