出会い記 2007年2月3日 東京おらぁ三太だ
@オスグマと男
林道の山側にある石垣の端は、獣の通り道になっていて、土がえぐれている。そこに黒い頭が見えた
が、カモシカだと思って前進した。次の瞬間巨大なツキノワグマが林道に降り立ち、両者はガチッと
固まった。1秒かせいぜい2秒して、クマは川側に飛び込んだ。男も我に返って後方へと待避した。
Aオスグマとメスジカ
数分してから、クマが飛び込んだ川側を恐々のぞいたが、葉を落とした斜面はほぼ垂直で、川までは
15mくらいの高さであった。まもなく、対岸から枯れ枝を踏み折る音がして、斜面を登るクマを見
た。その姿が目線の高さに来たとき、進行方向のササ藪から2頭のメスジカが飛び出し、斜面をトラ
バースして一目散に遠ざかっていった。
Bシカとサル
林道を5キロほど歩いたところに、シカとサルを見かける場所がある。群れは散開して、何頭かのサ
ルは落ち葉をかき分けて採食していた。2頭のメスジカとそれより小ぶりの3頭がオトナのオスザル
とメスの間、距離はどちらも5mほどの所を横切った。オスザルはちらっとシカを見たが、そのほか
には相手を気にとめる素振りはなかった。
Cカモシカとオスザル(ビデオあり)
のり面で2頭の若いオスが毛づくろいをはじめた。東側からカモシカが登場して、牧草を食べながら
ゆっくりとサルに近づいた。1メートルほど接近したとき、カモシカは突然あごを引いてサルに向け
て角を突き上げた。サルはギャンと声を立てて、腰を浮かせた。でもそれだけで、毛づくろいは再開
され、カモシカは草を食べ、両者の距離は開いた。
D番外編
オスザルと3−4歳のサルが人家の屋根から庭先におりた。回り込んでそこを覗いたら、サルは物置
?の屋根に座っていた。そのすぐ下で丸くなっていたイヌが気配に気づいて、ウーッ、ワン、ワンと
猛烈に人間に吠えついた。サルも気づいて、口を開けて人間を睨みつけた。「お前ら、特にイヌ、ど
うなってんだよ・・・」。
Eニホンオオカミとクマ
もし、オオカミとクマの争いを見ることができたら、日本の自然をより理解できるかも知れない。
野生動物にも、何十年に1度という、そこにいる個体だけが経験する出来事があることでしょう。で
も多くの場合は、日常のなかで相手の正体を認識していくはずです。あるいは、親の姿を見て育った
結果なのかなと思ったりしています。
「熊と猿の死闘」その真相はいかに、日露戦争がらみかな、などとも想像しました。現地に行った三
戸さんはさすがです。楽しみにさせていだきます。