「荒井ユーミン」  2005年2月10日  東京三太

 サルに会いに行くときは、生息域の手前までカーステレオで曲を聴く。 いつもは「横浜銀蝿」で決まりなのだが、今日は「銀蝿」にしようか「原田芳雄」かな ・・・と、すこし迷って「荒井ユーミン」にした。
 ところで、私が通う場所は、東京都西多摩郡の檜原村で、伊豆七島の島嶼部を除くと都内で唯一の村である。村は東西に走る尾根を境に、南秋川と北秋川のふたつの流域に分けられている。

 南秋川流域にはマカロニ群と名付けた、これまで20頭以上を数えたことのない小さな群れがいて、1.4平方キロメートルほどの行動範囲をかまえて生活している。
 その群れの中にリー・バン・クリーフはいる。リーは15歳を越えていると推定される老オスで、昨年の1月に調査を始めたときから今年の2月まで群れの中にいるし、メスに毛づくろいされたり、アカンボウがリーに寄り添って移動をするので、群れのオスに間違いはない。
 リーがどこで生まれ、いつ頃マカロニ群に加入したのかわからないけど、ハナレザルとして股旅時代があっただろう。いまはアカンボウにも慕われめんどうみもいい、メスが危険を感じて悲鳴をあげれば、すぐさまその最前線に現れて接近者などに威嚇をする。
 うまく表現できないが、私はそんな リーが好きで、マカロニ群に遭遇した日は一目あなたに会いたくて右往左往するのである。

 さて、話は冒頭に戻るが、ユーミンが“中央フリーウェイ”を唄いはじめてすぐに “えっ”と思った。
 ♪中央フリーウェイ 調布基地を追い越し 山にむかって行けば・・・♪ “この山って檜原村の山塊だよな” と今さらながら気づく。

 なんとなくリーの顔が浮かび、なんか嬉しくなったのであります。 (つづく)


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