亜高山帯に越冬地を持つサルを訪ねて  2004年11月10日  三戸幸久

1日目(11月10日 水曜日 晴れ):
 午前10時、永年北アルプスで野生動物を調査している泉山茂之さんと塩尻駅で落ち合う。
 早速、泉山さんの4Wで、大町市街地を抜けて高瀬川のニホンザル生息地へ。途中、先日であった七倉ダム手前でニホンザルに遭遇、一部ビデオに集録。上流へ向かう。
 高瀬ダムに到着し、生息地の地形を確認。さらに上流の生息地へ向かう。

 ニホンザルの採食痕、糞、足跡などを確認していると、ニホンザルの群れに遭遇。どのオスも尾をピンと背の方に反り返らせて立派である。
 顔の特徴は顎の部分が大きく見え、横からの顔のシルエットはヒヒ的、そこまでいかないまでもシェラウェシのムーアモンキー的な雰囲気がある。
 体毛の色はかなり茶色が濃く、毛足は長くないが、毛の密度がありそうでモコモコとした感じである。ちょうど南米にすむウーリーモンキー的である。
 体毛は、私が見なれた下北半島のサルに比べての話である。下北のサルの毛の色は白く、密度は高い。毛足は長く、こちらはモコモコではなくフサフサした感じである。この違いをサル類の体毛研究の権威である稲垣氏に見てもらいたいと思っている。
 サルたちをビデオに集録。さらに上流に向かう。
 午後3時半をまわったため帰還の途につく。途中、カモシカに出会い、ビデオに収録。
 感動の一日であった。

2日目(11月11日 木曜日 曇りのち雨):
 早朝7時半、上高地・梓川へ向かう。
 ここは、ニホンザルで唯一、亜高山帯で越冬する群れとして、泉山さんが追いかけているサルである。まさに 「ミラクル・モンキー」の名にふさわしい極限の生息地である。下北のサルが最北限のサルなら、ここは最寒限のサルといってよいかもしれない。泉山さんの調べでは、年平均気温は北海道札幌より低く、下北半島よりもちろん低い。
 穂高登山口付近でオスザルと遭遇。ビデオ収録。
 中流部にある調査小屋まで行き、周辺調査。
 採食痕、糞などを確認しながら、冬期間ニホンザルが集中的に採食する川藻などの繁茂する水系を観察。 これらをビデオに集録。
 梓川中流にあるビジターセンターにより、ニホンザル情報をききながら「上高地パノラマ地図」を購入し、ビジターセンター内の展示も観覧。
 午後3時半をまわったため帰還の途につく。
 ご助言をいただいた泉山さんに感謝の言葉もない。

※今回ビデオ一本槍であった。今のところビデオからの静止画を抜き出すテクがないので、写真もビデオもお見せできない。
※現在ビデオ編集中。この取材のためにDVDデジカメを購入した。その上ビデオは素人で年寄りなので困難を極め、カケワカラン。現在、七転八倒中。 (ToT)


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