連載に当たって:
 故今西錦司老師が立ち上げ、故伊谷純一郎老師らが発展させたニホンザル研究は、40年をすぎた現在、その生活など生態を見ると幾多の謎がまだ残されており、しかもその謎は氷山の本体のごとく巨大なものが多い。例えばニホンザルという種の成立の謎、あるいは故足澤成貞がつぶやくように言い残した「冬季落葉樹林帯での生態と、冬季照葉樹林帯での生態の違いは大きいはずだ。ぜひ調べてみたい。」あるいは「寒冷適応能力の幅」などなどいろいろ出てきます。どれも「労多くして功少なし」のテーマが多いのです。ところがこれらの問題は結果次第ではさまざまなところに影響を及ぼす。
 ここではそんなに大きな問題でなくても、庶民的なレベルでの身近な謎をとりあげたい。今回の連載はその「ほんとか!?」と思える謎に焦点をあてて読者のイマジネーションを大いに換気(笑)し、遊んでもらいたいのであります。(三戸幸久)



 なお調査、考察結果は、NPO法人ニホンザル・フィールドステーション、ニュースレターにて随時紹介します。

 乞う入会・ご購読。


お茶でもどうぞ